日刊知的ぐうたら生活

ボーカリストSCHAZZIEのブログ

義母の四十九日と白い蛾

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今日はコロナの院内感染で亡くなった義母の四十九日。小平霊園から近所のお寺にお墓を移したので、新しいお墓に納骨して、亡くなった時にはできなかった葬儀と四十九日の法要をします。

昨年の弟の時と違い、2ヶ月も入院してその間全く会えなかったし、何度も覚悟をしていたので、四十九日が長かったように感じます。

4月の初め、夜中に居間の窓のところに3センチくらいの白い蛾が飛んで来ました。ベランダに蛾が飛んで来たのは初めてだし、4月の初旬に蛾がいるものかな?まだ毛虫じゃないのかな?と、ちょっと違和感を感じながら、子供の頃に伯父に聞いた話を思い出しました。

亡くなった人は四十九日まではこの世に留まり、その魂が白い蛾になって飛んで来るのだと。だとしたら、あれはお義母さんだったのかもしれません。

毎年、お正月には義母のところに行き、お雑煮を作っていたのでしたが、今年は義母が家に来てくれたので、おせちとお雑煮でおもてなし。食べることに興味がなくなっていた昨今でしたが、美味しい、美味しいと言って沢山食べてくれたので良かった。

中でも、私が味付けした数の子を事のほか気に入ってくれて、その後3回くらい毎日の食事と共に数の子を持って行ったのでした。

3回目は主人が行ったのだけれど、わざわざ電話をかけて来て、本当にありがとう!と何度もお礼を言っていたのですが、その時ふと、これが最後かもしれないという気がしたのです。一度も口にはしなかったけれど、その予感はずっとありました。

その数日後に骨折で入院し、病院でコロナに院内感染し、2ヶ月間頑張ったけれども、とうとう力尽きました。私の予感が当たってしまったのです。状況が回復するたびに、予感が当たらなくて良かったと思っていたのでしたが、本当にあれが最後だった。

亡くなっても家に帰ることができないので、納棺の際に看護士さんが着せてくれたのが、最初の入院時に着ていた服。私が買ってあげたセーターとズボン。それを着て旅立ったのです。

施設にいる実家の母に服を買わなければならないので、ついでに義母の服も買ってあげていました。主人は、服なんて沢山あるからいいよと言っていましたが、女性はいくつになっても新しい服は嬉しいものなんだから、と季節ごとに買っていたのです。

気に入らなければ着なくてもいいしと思っていましたが、気に入って着てくれていたのだなと思ったら、胸が熱くなりました。

大した事は何もしてあげられなかった嫁なのに、正月に来た時に「あなたは本当に優しいねぇ」と初めて褒めてくれた声が、今でも蘇ります。その時、お互いに温かな気持ちでお別れできたのは幸いでした。

今日は本当にこの世での最後のお別れです。

安らかに成仏されますように。