日刊知的ぐうたら生活

ボーカリストSCHAZZIEのブログ

鬼平の朝ごはん

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昨日はお蕎麦屋さんで日本酒を呑んで酔っ払い、早く寝てしまったせいで、今日は5時半に目が覚めてしまいました。あんまり早く起きてガタガタしていると、うるさいと怒られそうなので、しばらく『鬼平犯科帳』を読みながらおとなしくしていました。

丁度、鬼平が朝ごはんを食べるくだりがあり、そうだ!今日の朝ごはんは鬼平定食にしようと思い立ち、なるべく音を立てないようにして作り始めました。くだんの鬼平の朝ごはんのメニューはこちら。

白飯

生卵

大根の漬物

根深汁

根深汁とは、長ネギのお味噌汁のことだそうで、卵かけご飯に長ネギの味噌汁という極めてシンプルなメニューが、何とも美味しそうに思えたのです。大根がなかったので、漬物はきゅうりになりましたが、この献立て同じ朝ごはん。

本を読んでいて食べ物の記述があるとつい食べたくなるという経験は、読書好きのほとんどの皆さんにあると思いますが、私はもうしょっちゅう。前記事の「花巻蕎麦」もしかり。鬼平犯科帳では、五鉄の「軍鶏鍋」も作ってみました。軍鶏なんかないから、普通の鶏肉で作りましたが、鶏肉のすき焼きみたいな味になり、果たしてこれでいいのか?という感じ。

文学グルメは食欲を刺激されるけれど、いざ作ってみると正解が分からないだけに悩ましい。料理本ではないから調味料など書いてない場合がほとんどだし、例えば湯豆腐と言っても、たれはどんな味か、豆腐は木綿なのか絹なのか、などなどいろいろあるわけで。

しかし江戸時代は食材が少なかったから、シンプルな味付けでも美味しかったのでしょうが、現代人は舌が贅沢になっているから、正確に再現出来たとしても、美味しいと思えるかどうかは分かりません。美味しそうだと思わせる作家の腕が素晴らしいだけかもしれません。

ともあれ、正解が分からない文学グルメは、自分が美味しいと思えれば、それでよしでしょうか。次は豆腐の田楽でも作ってみようかと思います。